事故の保険修理で差額がもらえる仕組みや「協定」とは一体何?
2022/06/19
巷では、事故をしてしまって相手過失が100%の場合に、被害者である自分は保険修理でしっかりと修理出来て、さらには現金などをキャッシュバックしてもらえる!差額ゲットができるなんてお話があるようですね。
でもどうですかね…そんなおいしい話あるんでしょうかね?って大和さんはご存知では無いんですか?と聞かれてしまいそうなので、今日は車屋さんとしてこのあたりについてしっかりと皆さんに説明しておきたいと思います。
車を保険修理したらキャッシュバック?違法性やそのカラクリとは
わざと事故をおこして保険修理で現金をゲットなんて人が増えないように(笑)色々と書かせてもらいますね。
事故の保険修理で差額がもらえる仕組みとは…
事故の保険修理で差額がいとも簡単にもらえるのか?これは一般の人が単に修理工場に持ち込んで、いきなり話をしてもらっても絶対にもらえないでしょうね。
鈑金屋さんなどは事故した車の修理を生業としている訳で、車の販売などをメインにしているところって本当に少ないんですよね(笑)それなのに、修理をしてその中からキャッシュバックしてくれ!なんて一見さんの提案に耳を傾けるでしょうか?
多分、他のお店に行ってくれということになるでしょうね(笑)この事故の保険修理で差額とかキャッシュバックなんて話は、素人のあなたと鈑金屋さんが話をできることなどではなくて、あなたが事故修理で預けた車屋さん、その車屋さんが依頼した鈑金屋さんとの間での話になることで、ほぼあなたに分け前がくることは無いと思ってください。
お小遣いが欲しいので、キャッシュバックなんて話を持ち出すと、かなりの確率で嫌がられますよ!ちなみに、差額がもらえる仕組みはあくまで「工賃」という部分に大きく関係してきますので、その理由を次に書かせてもらいますね。
事故の保険修理で差額がもらえるのは工賃部分?その理由とは…
相手の過失100%の事故だとして、あなたは全額相手の保険で修理ができるとしましょう!あながたもしも差額のキャッシュバックを受けられるとしたら、それはあくまで工賃部分です。
例えば、ミラーが折れたとか、トランク部分だけ凹んだ、フェンダー部分のみ大きく傷が入ったなんて事故だったとしたら、この部分については損傷の程度にもよりますが、新品部品への交換というケースが多いことでしょう。
そうなった場合、例えばミラーが10万円だとしましょうか(笑)そのミラー脱着取付の工賃が1万だとしたら、部品代10万円で工賃1万円です!部品代は仕入れ先に払う訳で、その鈑金屋さんは取り分が1万円です。
ドア交換の場合でもドアが35万だとして、工賃部分が3万だとしたら、わずか取り分が3万円です(笑)要するに、これが鈑金工場の売上であって、この中の僅かな部分がその会社の利益と言う訳です。
保険会社も部品代については納品書の開示など、ちょろまかせないようになってますので、鈑金屋さんが新品を購入したとみせかけて、わざと中古部品を使ったなんてことは、今この時代では一切できません。
となると大凡わかってきましたかね?更に最後に踏み込んだ話と協定についても書かせてもらいますのでご覧くださいね。
事故の保険修理でもらえる差額の結論とそもそも協定って何?
協定してから…協定が終わってない…協定がすんなりいかないなんて話も聞いたこと無いですか?協定についても後程書かせてもらいますが、先ほどの差額修理でキャッシュバックがもらえる可能性のある修理というのは、あくまで鈑金要素の高い事故においてです。
ドアやミラーなど単一で新品部品と交換ができるような事故については、全然儲けがないですから、そうではなくドアも交換しなければならない、ミラーも交換しないといけない、ステップも割れているので交換、そしてステップ部分が運転席側に押し込まれて若干くの字なので引っ張らないといけない…このように交換プラス鈑金での車両修復が多く入ってくれば、あなたが僅かながら差額がもらえる可能性もあります。
車両の事故状況などをみて、これは儲かるかな…なんて事故修理は私も積極的に動きますからね(笑)先ほど書かせてもらったような状況だと、鈑金塗装の部分が30万~40万ぐらいの話になるので、そうなると30万の工賃で鈑金屋さんが25万で元が取れれば、最低でも5万円はキャッシュバックが受けられますよね。
となると、車屋さんが4万円、そしてあなたが1万円のキャッシュバックぐらいは受けられるでしょう…可能性は低いですが(笑)その事故自体も「協定」がちゃんと完了していないと元も子もありません。
この協定は保険会社のアジャスターが事故損害額を算出して、鈑金屋さんとのギャップを埋めていく作業です!50万しか保険会社は払えないのに鈑金屋さんが90万と言っても合意できていませんよね(笑)その協定ありきではあるので、交渉事の得意な車屋さんに依頼しながら進めるのが良いでしょうね。
ということで保険修理のキャッシュバック伝説について書かせてもらいました(笑)